第7回故・鷲塚師匠の追悼感謝紙芝居開催

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 ”横浜最後の街頭紙芝居師”、故・鷲塚隆さんの祥月ご命日は平成24年10月6日です。横浜歴史博物館に寄贈された253巻の貴重な紙芝居と舞台一式はそれから3年後の11月16日に「横浜市有形民俗文化財」に指定されました。文化財として市民の文化資源として次世代に継承されることを約束された紙芝居は全国でもごく少数。横浜市民にとって秋は大切な季節になりました。
 毎年この大切な季節に、鷲塚さんを偲び、感謝の思いを込めてささやかな”追悼感謝紙芝居”をご自宅の磯子区笹堀「フャミリ丸岡」で開催しています。今年は主催役の歴博刈田主任学芸員の他に素晴らしい方が参加してくださいました。浅草雑芸団代表の上島敏昭さんです。上島さんは鷲塚さんご逝去の通夜式にも駆け付けて下さいました。今日も奥様の里子さんが大切に守る仏壇のお位牌にお線香を手向けて下さいました。本当に感激いたします。
 今日の紙芝居は、笹堀交差点に接する駐車場に舞台を置いて14時と15時の2回の上演です。演目は、時代劇「風雲流五郎」、少年冒険活劇「大怪獣ダイラ」、母子愛情作品「愛の山河」そして漫画とクイズです。第2回の上演には奥様の鷲塚里子さんがしっかりと見て下さいました。お客様がたった一人でも、鷲塚さんとご家族に見ていただくことが願いの紙芝居でしたが、1回目18人、2回目15人とこれまでにない皆さん見ていただきました。本当にありがとうございます。
 上演中私の声と眼は車が行き交う交差点のその先に向かっています。渋滞する道路のその先の路地から鷲塚さんが出てきてもおかしくない岡村の街です。「どこを見ているんだい!」「これから何をしたいんだ!」そんな声が聞こえてきそうです。鷲塚さんが愛用されたローランド製の小型アンプからは私の声が出ているのですが、それがどこまでも広がっていく錯覚を感じます。紙芝居というツール、”コミュニケーションの対面販売”ともいえる魅力あふれる街頭の大衆芸の帰結はやはり一人の笑顔だと思います。インターネットの時代、”誰か大切な笑顔の忘れ物”がないか見回しながら紙芝居の声を届けてまいります。

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