冷たい秋雨の中、府中の森の博物館で紙芝居!
初冬のような冷たい雨が府中市郷土の森の樹木を濡らします。博物館では10月から来年春まで常設展示室の改修工事のため、紙芝居は1階エントランスで開催です。自転車舞台に街頭紙芝居のしつらえを整えて、今日はその第1回目です。
本間学芸員が準備された透明シートフェンスを使い、点在させた大型腰掛を客席とした午後2回の公演には、悪天候の下でもお客様が来てくださいました。杖を持ち支えられて来場されたご婦人、お父さんと幼児やお母さんと娘さんの二人ずれなど25人以上の方々です。久しぶりの緊張感と充実感です。
演目は幼児から大人までの客層を想定して昨年第56回「五山賞」を受賞された「ぞうさんきかんしゃぽっぽっぽっ」(とよたかずひこ脚本・絵)の児童向けや「杜子春」など名作、落語など様々な教育紙芝居と街頭紙芝居「夜叉頭巾」を持ち込みました。最近、自身の声が“痩せて”いることに気が付きましたが、何とか切り替えるきっかけを見つけました。
数日前、発売中の”のまりん”こと野間成之さんの「上演ライブ10選」のDVDを送っていただき、久しぶりに私も紙芝居のスイッチが入りました。忘れていた感動を思い出しました。ちょうど2年前の10月、子ども文化研究所の鈴木孝子さん、高瀬あけみさんと”のまりん”の4人で山口県萩市のふるさと紙芝居全国大会に巡業したことを思い出しました。その時の彼の疾風怒涛のパワーと春風のようなやさしさがよみがえります。
”のまりん”は全国各地への巡業と月7回の紙芝居勉強会、研究会など超売れっ子の紙芝居実演家ですが、素顔は魅力あふれる”子どものようなオジイサン”(ごめんね!)。上方落語の桂文我師匠は「ふざけた!真面目な、お方!」と評しています。私は、野間さんと全く違う紙芝居人生を歩んで来てよかった、と実感します。故・鷲塚師匠に感謝です。違うからこそ、魅力がよくわかる。そして出会えたことがより大きな喜びにつながります。今日は一日、萩市への巡業の思い出にひたり、そして鷲塚さんのことを考えながら紙芝居を演じました。過日、10月6日は鷲塚隆さんの祥月御命日。もう8年が過ぎました・・・。合掌