港北図書館「紙芝居の日」に巡業しました

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 台風接近の荒天予報が伝えられる3連休の一日目。港北図書館の紙芝居には親子連れを含めて44人(大人27人、子ども17人)のお客様がおいでくださいました。演目は”注文の多い料理店”(教育紙芝居)と街頭紙芝居”お山の金ちゃん”とチャンバラの”風雲流五郎(第9巻)”です。演じ手の私も緊張感を持ち、準備して取り組みました。
 「注文の多い料理店」の原作は今から96年前の大正10年11月10日に宮澤賢治によって書かれました。原作の奇想天外、斬新無類な展開に酔い、読後にはしみじみと金や権力、地位や名誉より大切な”人としてのたたたずまい”を学びます。主役は誰か?それをポイントに広大な宮澤賢治の童話世界と小さな人間の組み合わせを考え16枚の紙芝居の裏書を約半分カットさせていただきました。上演時間は約9分に短縮できました。

 自画自賛(最近は”ジジイイが自賛!”)と言われそうですが上手に凝縮できたと思います。この作品の主役は誰でしょうか?それは最後に飼い主2人を救出した猟犬だと私は思います。若いくせに地位や名誉欲に取り巻かれた二人のハンター(”てっぽううち”)でもなく、凶暴なやまねこ夫婦でもなく最後に登場する犬たちです。そして次の主役は、深まる秋風の中二人を見送る村の子ども達でしょうか。童心社版のこの紙芝居、個人的には画に抵抗感がありました。もう一歩深めて描いてほしかった、しっくりこない!という感じです(生意気言って申し訳ありません!)でも原作の素晴らしい臨場感をお伝えできたと思います。
 お客様の中に車椅子の高齢の御婦人と付添の方がいらっしゃいました。ご婦人は最初声をかけても全く反応を示さず、「この中に街頭紙芝居を見た方いらっしゃいますか?」の質問にも”フン!”と横を向きました。付添の方が手を添えて挙手させようとしても拒否しています。でも、顔を横に向けながら最後まで見て下さいました。
 そして、街頭紙芝居のチャンバラ”風雲流五郎”のラスト、主役の五郎のいいなずけ”千草”の父である家老山内内記に迫る危機の直前で「それでは次回のお楽しみ!」と終了して皆様の拍手。私も感謝を伝えて「奥様どうでしたか?」と車椅子に向かってお聞きするとあふれるような笑顔が返ってきました。紙芝居の主役は各演目ごとにオールスターが目白押しです。でも今日の紙芝居の会の主役はこの車椅子のご婦人でした。本当にありがとうございます。また、必ずどこかの街角でお会いしたいです!

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