平成29年7月28日
六月を 綺麗な風の 吹くことよ 正岡 子規
めまぐるしい季節の変化の中に今年も折り返し中間点、六月を迎えました。 無我夢中の春、四月から五月の連休には一息ついて、さて実感のある一歩を踏み出すのが六月かもしれません。”不快指数”という言葉に惑わされずに入梅を楽しみ、いちずでひたむきに取り組み、そして紫陽花の花のように変化する変わっていく勇気を学びます。4年前に自宅で逝去した父を見送ってくれたのは、やはり紫陽花の花でした。その紫陽花に今年も出会います。
紫陽花や 吾に誇れる ものの無く 中村 ヒデ
紫陽花の 紫の濃き 今朝の雨 島方 峰庵
古道具 潔く捨て 梅雨に入る 森 かつ子
あじさいや あしたのために 靴みがく 福留 むつ
身近な方に、「あなたは風でいいのよ!」と言われました。何かを伝えたい!思いを残したい!その思いが強ければ強いほど、それは往々にして空回りを重ねて人間関係の歯車を”ギシギシ”と鳴らします。もともと、伝えるほどのものもない自分に気付いた時に”おお!そうか!ワシは風じゃな!”と衣を一枚脱ぎ捨てました。いつもいつも、後から気付く”衣替え”です。
鉛筆を 噛む癖そのまま 梅雨に入る 宮本 千賀子
伴侶とは よきもあしきも 梅雨に入る 菊地 美智
吉右衛門 大見得切って 梅雨に入る 松原 豊
梅雨に入る はるかなる世を 見詰めつつ 野見山 朱鳥