平成28年5月6日
世の中は三日見ぬ間に桜かな 蓼太
桜の開花が告げられると日本列島が春に包まれます。昨日の怒りも、今日の後悔も、明日の不安も春は海のような優しさで受けとめてくれます。卒業の寂しさも、出発の逡巡も桜の花が忘れさせてくれます。無慮数千年の昔から私たちは自然の中で親子の命をつなぎ心を育ててきました。残された人生の時間を思う時、これからは本当に”命の使い道”を考え優先する、時間との向き合い方を考えていきます。めぐる春に感謝も、ひとしおです。
千年の醍醐桜に水の音 村尾 英美
ゆさゆさと大枝ゆるる桜かな 村上 鬼城
花の雲鐘は上野か浅草か 芭蕉
五年前の東日本大震災。それを契機にこの”なつかし亭”HPはスタートしました。目指した目標は一つです。紙芝居という稀有なコミュニケーション・ツールを使って”応援すること”そして”支えること”。でも実際は私自身が。応援していただき、支えていただいていました。これからは、本当にご恩返しです。ありがとうございます!
大地震ありたる朝の桜かな 安田 栴子
一瞬の生命いとほし桜咲く 碓氷 すすみ
ふり向けば妻と娘がいる桜かな 坂本 まもる
それぞれの桜。それぞれの春。うれしさいっぱいの桜と春。
父という世に淡きもの桜満つ 堀口 星眠
少しづつ少しづつ花老桜 吉岡 恵信
黒髪のころ懐かしや桜咲く 近藤 松子
ひらひらが彗星となるさくらかな 高岡 慧