平成26年12月28日

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明治15年に山口県で生まれた俳人・種田山頭火は57歳で死亡するまでに、”魂のつぶやき”のような句を含めて膨大な句を残しました。今から40年前新卒の私は、勤務先の昼休みに国鉄関内駅前の旧センタービルの書店で「山頭火著作集1巻~4巻」(大山澄太編・潮文社)を購入しました。その後、自由律の俳句とともに「山頭火」は広く世に知られ日本酒やラーメンにまでその名前が知られました。”人口に膾炙(じんこうにかいしゃ)”した「山頭火」でしたが、その黒い表紙の単行本はいつも私のそばにありました。人生の折節に励まされ、心安らぐいくつかの詩歌のひとつでした。時には”富士の夕景”のように少しさびしく、ほのかに心を照らす”提灯”のようなあたたかさでした。いま秋を迎え、そして冬から春へと季節は廻ります。時代に流されずたじろがず、しっかりと残された日々を足元に取り組みます。私自身の旅の実りを思いつつ、ご紹介させていただきます!



山頭火句集より

 この旅 果(はて)もない旅のつくつくぼうし

 けふもいちにち 風を歩いてきた

 へうへうとして 水を味ふ

 こころすなほに 御飯がふいた

 濁れる水の 流れつつ澄む

 もりもり盛りあがる 雲へあゆむ



 

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  まっすぐの道に出(い)でけり秋の暮     高野素十