新宿の「抜(ぬけ)弁天」、子どもまつりの紙芝居!
地下鉄「東新宿駅」を下車して数分、「西向天神」の境内には銘木・古木が茂り残暑を忘れる爽やかな風が吹き抜けます。史跡指定の神楽殿や神輿蔵が並び太田道灌公の山吹伝説にちなむ少女「紅皿」の墓のある「大聖院」へと順に参拝して、抜弁天(ぬけべんてん)交差点まで坂を上りきると、子どもまつりの会場「抜弁天」です。地域の方の露店が並び、焼きそば、かき氷、綿菓子やオモチャの福引にお客さんが溢れています。
境内の小さな弁天池に仮設の橋を架けて街頭紙芝居舞台を設置して紙芝居がスタートです。最初は「西向天神」、「抜弁天」と20年以上の関わりを持つ浅草雑芸団代表・上島敏昭さんの立体紙芝居「桃太郎」です。四角い箱の絵を巧みに組み合わせながら出生から鬼退治の佳境に至るおなじみの正当派の桃太郎伝説を上演されました。会場を取り巻く100名以上の参加者の熱気がウォンウォンと反響する中で、上島さんの地声は不思議に良く通ります。すべての芸能に通じる間(ま)とリズムをしっかりと自然体で表現する芸風には驚き、脱帽です。さすがに素晴らしいです。
そして2番手の”ナッキージョージ”こと、生木さんの後になつかし亭は「お山の金ちゃん」と「まぼろし探偵長(第1巻)”暗黒街”」を上演しました。「まぼろし探偵長」の上演は故・鷲塚隆さんの”ご命日紙芝居”以来、1年ぶりです。私は観客のパワーと大都会の夏のイベントの熱気に翻弄されました。何とか無事に終了できたのは、源氏の本流”八幡太郎義家公の創建”と伝えられる抜弁天のお支えがあったからかもしれません。特に狭い境内を”南北に抜けられる”ことから、困難を抜けて通ると人々の信仰を集めた弁天様です。でも、今日は社殿の前も後も、周辺も人であふれて”通り抜ける”ことは容易ではありませんでした。
本当に素晴らしい一日が終わりました。季節は夏から秋へと変化しますが、最近では一番印象に残る街頭紙芝居が終わりました。上島さん、みなさんありがとうございます。横浜から駆け付けてくれた光子さんご家族、暑い中大変ありがとうございます。またお会いしたいです!