なつかし亭を見る

「昭和館」の紙芝居アラカルト。名残の桜が風に舞う九段坂。梅田佳声先生の魅力を堪能しました。

4月22日(日)本物の「国策紙芝居」を初めて実見。まぎれもない昭和の時代の歴史。梅田先生が2回口演。3回目は「参加型イベント」で軍歌までご披露されました。


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 この日のテーマは「国策紙芝居」。戦時体制下では国民の戦意高揚、質素倹約奨励、愛国心の涵養等を目的に制作・上演されました。制作に関係した脚本家や画家の中には今にその名が伝えられる著名な方もいました。



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 第1回は梅田先生が「爪文字(つめもじ)」。過酷な戦況が続くニューギニア戦線で絶望的な戦いの中で戦闘を続ける日本軍。制空権確保のための“航空機”を求める兵士の思いが爪文字で岩に刻まれる、という物語。先生の素晴らしい声と音調が会場を圧倒しました。もう一人のスズキスズさんは「チョコレートと兵隊」を口演。平成の時代でも、「平和」の尊さ大切さが伝わります。

 2回目は梅田先生「軍神の母」。そしてスズキスズさんは「大空へつづけ」。この作品は、黄金バットで著名な永松武雄さんの作品でした。

会場からも「昭和の声」が。参加型イベントの楽しさ、温かさが参加者にしみわたりました。


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 毎回、主催者の渡邉学芸課長さんがお客様の感想や声を聞いて下さいます。第1回「爪文字」が終了した後、会場から声が。「私の家族は南方で戦死しました。今日がその“命日”です」「先程、靖国神社に参拝してこの紙芝居を見ましたが、不思議な“ご縁”を感じました」と。まぎれもない昭和の時間。人が生きた“あかし”としての昭和の時代を本当に実感しました。

国策紙芝居の参加者リレー上演に挑戦

 
 3回目は、希望する参加者の実演の時間。「モモタロウのラッカサンブタイ(桃太郎の落下傘部隊)」(画:高橋五山)。モモタロウが動物の兵隊たちを率いて敵軍を撃破する20枚の長編。それを3人の希望者がリレーで口演して、最後を梅田佳声先生が締めくくる取り組みです。

 これには3人目に“なつかし亭”も熱望して参加。私も“落下傘で飛び降りる”程の決意で挑戦です。すぐ後は梅田先生。緊張でコチコチになりました。希望者3人と先生のリレー上演は、十分な準備時間もなくご迷惑をおかけしましたが、最後の梅田先生が鮮やかに、楽しくまとめて下さり物語も大団円となりました。本当にありがとうございました。

 最後の“取り”は、森下昌毅さん。昭和を代表する街頭紙芝居の故・森下正雄先生のご子息。紙芝居のテンポと口調にCDで聴きなれた先代の雰囲気を感じて本当に感激でした。



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最後に渡邉課長さんのお声かけで関係者の記念撮影をしていただきました。本当にありがとうございます。私の大切な記念の1ページになりました。