横浜技能まつりに巡業しました>平成26年10月26日の巡業記事

「第35回よこはま技能まつり」で35年前の私自身を見つけました!

 「巡業日記ブログ」に記事を掲載しています。ぜひご覧ください!

 横浜では神奈川県下で最も早く、市内45団体(当時)の技能職団体が連絡協議会を結成し、衣・食・住と生活文化に関わりながらともすると「縁の下の力持ち」的に評価されがちな職人衆(技能職)の地位向上と伝統技能の普及啓発を目的に活動を始めました。大通公園には「技能文化会館」が竣工し、そこには横浜の職人衆が心血を注いだ技能文化の象徴である多くの道具類が収集展示されました。この”技能まつり”は35年前に、その市民への啓発活動の一環として始められたものです。

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35年前から続く友人・知人の友情で今年も紙芝居上演ができました

 私はその当時、技能職の次代を担う「青年部」の担当として仕事をしていました。青年部の広報誌を編集発行し、当時の横浜市長とひざを交えて技能後継者の悩みや夢を語り、そして行政の責任者の市長と語り合うというイベントは当時は斬新な企画でした。また、横浜と友好都市・友好港であった中国上海市技能職との交流会も開催しました。私たちは先進都市の技能職として、技術的に遅れた中国上海市の若い技能者たちに損得勘定抜きで、文字通り誠実にそして献身的に技術指導も行いました。当時の方の中には、「中国はすぐにマネするよ」「裏切られるよ」とささやく方もいました。しかし当時の「青年部」も私達も若かったのです。今ではその通りの状況となり、悔いても悔やみきれない思いが私にはあります。

 技能は経営と一体でなければ確かに振興・保存することはできません。行政が支援できる範囲も限定的なものにはなるでしょう。しかし技能の継承とは、やはり行きつく到達点は「人」ということになるかもしれません。当時の”青年部”は今、頭に白いものが多く目立ちますがその方々の友情は、形を変えて今も続いています。

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友情の証拠は、議連協青年部の”袢纏(はんてん)”です。

 私が街頭紙芝居にいつも着用している”袢纏”は、当時青年部の彼らと自費を出しあってデザインから染め、そして縫製までをオリジナルで製作したものです。私は、自分でも購入しましたが、もう一つ同じ袢纏を当時の小原一格さん他青年部の役員からいただきました。人事異動で担当を卒業する春の頃です。皆さんは「ありがとう!」という思いを込めて贈ってくださいました。私はそれに、黒い襟をつけていつも紙芝居の巡業に着用しているのです。その小原さん、そして現在の川上青年部長とのご縁が、見えない糸でつながっています。

 私は、故・鷲塚隆師匠から街頭紙芝居の使用を許していただき、その思いを「世のために人のために」とうけついでまいりました。それはまた35年前に技能職の皆さんから教えていただいた「こころざし」と重なってくるのです。また思いを新たに、由緒正しき”袢纏”を着て紙芝居に心をのせて、運んで参ります。本当にありがとうございます!!

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