街頭紙芝居舞台を飾る、小さな「富士山」

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 今から9年前の平成27年11月、街頭紙芝居と舞台・拍子木一式が横浜市有形民俗文化財に指定された。この資料一式は磯子区の故・鷲塚隆さんが生前、横浜市歴史博物館に寄贈されたものだ。なつかし亭は鷲塚さんが平成24年10月6日にご逝去されるまで師匠として本当にお世話になった。奥様の里子さんと共に人生で忘れることのできない大切な方だ。思い出深い秋が今年もめぐる。
 その文化財指定された「紙芝居舞台」は、かつて多くの街頭紙芝居のオジサンが自転車の荷台に乗せて昭和の街角を走り回ったものの一つだ。特に師匠の舞台はそのリボン結びの蝶型の飾りが付いている。愛嬌に満ちた可愛らしい舞台で始まる紙芝居は、凄みのある低音の声とリズム、テンポがいつも大向こうをうならす鷲塚節だった。
 その紙芝居舞台をそのまま模して製作した私の舞台は、ただ一カ所異なって、上部の飾りを「富士山型」に刻んでいただいた。遠くからでもすぐわかる、そして子どもから大人まで誰でも知っている富士の山が大好きだったことも理由だった。気候変動を実感する中にもやはり、富士山は四季折々の変化がドラマチックだ。強く、優しいイメージに重なり元気が溢れてくる。13年以上になるこのHPのトップ画面もいつも富士山の画像がアップされている。富士山と共にまた旅に出る、そんな気分になる!