紙芝居の脇役、”舞台”にもドラマがあります
紙芝居の三要素は「お客様」と「演じ手」、そして「演目」です。どれかが欠けても紙芝居は成立しません。私の場合、最底挙行人員は1名です。「1人でもお客様がいれば上演します」「誰もいないと独り言になってしまいます」と、言うとお客様は笑います。演目は私のように街頭紙芝居を志向していた演じ手は、演目が入手できないとい日々が長年続きました。それで、図書館や市販されている教育紙芝居(印刷紙芝居)を”街頭風紙芝居”に演じることを続けてきました。ですから古いお客様の中には「街頭風紙芝居 なつかし亭」と呼んでくださる方がいます。
貴重な街頭紙芝居を「使ってもいいよ!」「金儲けではなく、世のため人のために使って!」とお許し下さったのは故・鷲塚隆師匠でした。その寄贈された街頭紙芝居は舞台などとセットで横浜市有形民俗文化財に指定されたのは3年前の今日、11月13日でした。先月、10月11日は師匠の祥月ご命日で七回忌でした。時はめぐり、季節は変化しますが次の世代にしっかり継承されていく手ごたえを感じています。
その紙芝居を演じる「紙芝居舞台」が3つあります。一つは、文化財指定された舞台を原型とした「街頭紙芝居舞台(川崎市有馬 持田さん製作)」、二つ目はヒノキ製で茶色の屋久杉の装飾が入った「開き舞台(神奈川の名工・建具職の田中さん製作)」、三つ目は職場の先輩、田中ホウキュウさんが手作りされた幼児も喜ぶ「ファンタジー紙芝居舞台」です。そしてもう一つ、自分自身の手持ちで演じる?紙芝居舞台、実は舞台を持参するのを忘れてやむなく手持ちで演じた(痛恨の舞台)です。失敗ばかりの私の巡業を支えてくれた個性あふれる素晴らしい3つの舞台(4つ?の舞台)に負けないように、これからも精進します。