アーサー・ビナードさんの講演会に参加しました
絵本作家で翻訳家、中原中也賞受賞の詩人でもあるアーサー・ビナードさんが「21世紀かみしばい学校」で講演をされました。午前の部は教育紙芝居の大看板、菊池好江さんが「紙芝居実演と上演指導」そして紙芝居の紹介までしてくださいました。そして昼の休憩をはさんでの演題は「この世はぜ~んぶ紙芝居!」。詩人の感性と創作者の情熱が爆発した”熱血トーク”はエンジン全開です。長野ヒデ子さんとの対談では「国策紙芝居」や「街頭紙芝居」にも話題が広がります。おもしろかったです。
国内政治や福島原発への疑問と怒りは、昔の”政治青年”の私ならばかなり同調したかと思います。今は世に溢れる不正義や格差への一面的な怒りだけではなく”一人の喜び””ひとりのお手伝い”のために何ができるかを考えてしまう私です。今、心のエネルギーは別な化学反応を起こし始めていることに気が付きました。
その街頭紙芝居、8年前に横浜市歴史博物館で上演したのが「鳴門秘帖(第3巻)」です。横浜中央図書館地下に保管されていた同期のツクダ君が入手した街頭紙芝居の一部です。横浜ゆかりの文豪吉川英治の同名の連載小説が大坂毎日新聞に連載開始されたのは昭和初年。昭和8年には後編が出版されています。丁度街頭紙芝居が登場した時代と時を同じくしています。その紙芝居を始めて上演したのです。当時は帰趨の定まらない貴重資料を遠慮しながらも、上演前の”マクラ”で紹介したことを覚えています。
時は移りNHKBS時代劇では昨日の4月20日から山本耕史主演で同名のテレビドラマがスタートしました。10回連続番組です。偶然でしょうか、不思議ですね。紙芝居に風が吹いている、という方があります。”風”に一喜一憂することなく紙芝居で、時代と社会にささやかでもお役にたちたいです。歴博所蔵の「鳴門秘帖シリーズ」は残念ながら15巻までです。その後の続巻は”庶民の暮らしの歴史”、街頭の雑踏の彼方に消えてしまいました。
阿波の国で幽閉され、還らぬ甲賀世阿弥。その行方を案じる甲賀屋敷では運命の糸が絡み合い、巻き起こる大事件。鳴門秘帖は人々を翻弄し、巨大な渦潮となって襲いかかるのであります。さてこの続きは・・NHKBSテレビ時代劇でご覧ください!カチ!カチ!カチ!