修復後の「小田原城天守閣」を見学しました

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  5月に修復された「小田原城」を地域の方々と見学してきました。いうまでもなく小田原城は関東に君臨した”北条五代”のもののふたちの根拠地です。大河ドラマ”真田丸”にも登場した北条氏は、天正18年(1580年)に豊臣秀吉の大軍の前に落城しましたが、中世の時代にその版図であった横浜市域にはその歴史的な足跡が多く残されています。

 2年前の夏、南区蒔田の「横浜英和女学院」歴史部の皆さんが歴史博物館の企画展「蒔田の吉良氏 戦国のまぼろしの蒔田城と姫君」展に合わせて製作した”創作紙芝居”「蒔田城さき姫ものがたり」も、その北条一族の栄華と落日を描いたものでした。”さき姫”という美しいまぼろしのような姫君をめぐる物語は大好評で、特に生徒達の上演は多くの市民の喝采を受けました。夏の焼けるような日差しの中で仰ぐ白亜の天守閣は、その時の暑い夏を再び思い出させました。

 指導依頼を受けた私は、平成26年5月から準備と調整を重ね6月から直接、学校を訪問して歴史部中学・高校生10数名の皆さんと紙芝居実演の研修を実施しました。蒔田駅からかっての”蒔田城の場所”、現在の校舎までは100段以上の階段を上り詰めます。そして、正門から校舎内に入り教室で中学生も高校生も一堂に会した全部員に交代で紙芝居を読み込む研修を行いました。歴博企画展示の阿諏訪学芸員、歴史部顧問の先生方と連携して遠い昔の歴史の行間に埋もれている人々の息づかいを伝えたいと取り組みました。なつかしく、熱い、つい昨日の記憶です。

 時がめぐり人が変わり、それでも伝え残していく歴史の大切さを思います。50年ぶりに修復された小田原城のような堅牢な城郭や石垣には心を奪われますが、それに加えて横浜英和女学院歴史部の生徒達が残し伝承しようとした”思い”や”こころざし”を合わせて伝えることが本当に歴史を伝えることになるに違いありません。あらためてそう思い見上げる天守閣は、夏の青空にまぶしく輝いていました。