”子どもの日”に思い出す吉川英治・・

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 五月の子どもの日。結婚した次女が実家から少々遠方に転居しました。スープを届けるにも難しい距離です。嫁いで行った結婚の日よりも、転居は新しい旅立ちを実感させます。少々貧しくとも明るく、楽しく。そして先方の家族とも仲良く、大切にされるように!と祈らないではいられません。
 横浜の中・南区にも居住していた文豪・吉川英治の思わず”笑っちゃう”句を思い出します。

   貧しさもあまりの果ては笑い合い

   貧乏も或る日はたのし梅の花

 これからの生活は吉川が経験したような貧乏ではないと思います。よしんば経済・社会的な課題がいろいろあったとしても、ヘラヘラ笑いながら受け止め、受け流して下さい。そして、笑顔で切り替える。そのように願います。

 その吉川英治の出世作「鳴門秘帖」は昭和2年にスタートした大阪毎日新聞の連載ですが、10年ほど前にその街頭紙芝居を見せていただきました。ある施設に死蔵されていたのを見つけて、保存管理の責任者の友人に頼んで第1巻~11巻までを白黒のコピーですが、許可をいただき100枚以上を複写させていただきました。
 昭和20~30年代の紙芝居で、感動で胸が高鳴ったのを記憶しています。紙芝居の絵の作者や脚本、版元などは今後の研究課題となるでしょう。しかし昭和の子ども達が熱狂した街頭紙芝居には、このような文豪の作品も取り上げられていたのです。そう思うと感慨もひとしおです。いつの日か本物が世に出て、私もあらためてその街頭紙芝居を上演させていただきたいと願っています。