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綱島の名門、尚花愛児園の「お月見会」は時代を越えた伝統の魅力がいっぱい


 立秋を過ぎて厳しい残暑の9月13日(火)。港北区綱島の尚花愛児園(社会福祉法人仁成会)では、地元綱島の老人グループ“寿令会”の皆様をお招きして伝統のお月見会を開催しました。もちろん、年少から年長までの園児達150人もご一緒です。3階ホールの会場にはお月見の壇が作られてお供えのお芋、かぼちゃ、栗やススキが豪華に飾られていました。


尚花愛児園のゾウさんマーク 立派なお月見のお供え


 先生方の“ベープサート”上演も本当に楽しかった。演目は「しょうじょじのたぬきばやし」。お月見の歴史や由来をわかりやすく説明された新井先生が、明るく楽しく後藤先生とペアで上演。先生がご自分のおなかをポンポコ、ポンポコ叩くのを見て園児も一緒に自分のおなかを叩いて大変な盛り上がりでした。先生!おなかは破裂しませんでしたか?

タヌキとお尚さんが大活躍 高齢者も楽しみました


最高の紙芝居のお客様との出会い

 3階ホールが子ども達の歓声で溢れる中、紙芝居がスタートしました。年少から年長、そしてご招待された高齢者の皆様を合わせた大人数。ベープサートの楽しい雰囲気を引き継いで子タヌキのタロベエが主役の「げたにばける」(新美南吉原作)を、「おおきくおおきくおおきくなあれ」に続いて実演しました。そして、年少と年中の子ども達が退場した後に、引き続いて「ねずみきょう」と街頭紙芝居「少年スピード王」(第1巻~第2巻)を上演しました。

紙芝居は楽しい 最高のお客様


 本当に初めての経験でした。というのは一部の子ども達は、このイベントに1時間以上も同じ場所での長時間参加。普通なら我慢の限界を越えて集中力も途切れるのが当然です。でも最後まで、紙芝居を楽しんでくれました。本当にありがとう。この日の皆様は、これまでに私が出合った紙芝居の最高のお客さま!でした。


三代の園長・副園長がつむぐ、すばらしい園の伝統

 尚花愛児園の初代の園長、伊東きよの先生は戦後の混乱期に綱島の地で自宅を開放して幼児教育に挺身して人生を捧げられた方。私は、学生時代に先生にお会いして深く感銘を受けました。清楚、潔癖で温かい人間性と包容力。そしてその存在感はいつまでも心に残る方でした。そして、そのあふれる美しさと魅力は生稲精子園長、浩代副園長先生に連綿と受け継がれています。

尚花は子ども達のお城 見ていただいてアリガトウ


 伊東きよの先生にあこがれて、入園させていただいた私の次女は平成4年3月の卒園生。“こまどり組”でした。四季折々の日本の伝統的な行事や習慣。そして礼儀作法や地域の文化など、多彩で変化にあふれる園の生活は今でも心に根づいています。ありがとうございます。

 子育てや高齢者への支援、地域の連携にも職員さんがひとつになって取り組む尚花愛児園。それは地域の誇りでもあります。この日の夕方、園の近所で退園した園児と保護者に出合いました。「あっ、紙芝居のおじさんだ!」「また紙芝居読んでね!」うれしかったです。その時、日中の猛暑を忘れるような秋のさわやかな風が、街の中を吹き通るのを感じました。

 皆様、ありがとうございました