なつかし亭を見る

ケンパ高田保育園の“梅雨明け”紙芝居を上演

 今年4月に港北区高田東エリアにオープンしたケンパ高田保育園。昔懐かしい“ケン・ケン・パー”等の子ども達の外遊びがよく似合いそうな明るく楽しい保育園です。昨日の、全国の梅雨明け宣言から一気に夏本番の暑さの中で、なつかし亭の紙芝居を皆さんに見ていただきました。
 最初の1~2歳児には「こねこのしろちゃん」「おおきくおおきくおおきくなあれ」の2本を上演しました。この日が初対面の私は、少しでも雰囲気になじめるようにエプロンを着て読ませていただきました。2作とも、幼児紙芝居の名作と折り紙つきの紙芝居。その作品の力で、子ども達も喜んでくれたように思います。

1~2歳児には舞台を低くセット

 「おおきくおおきく」は、まついのりこ先生の作品。紙芝居を始めた頃に先生の著作を読んでいて、出合ったひと言が今でも忘れられません。「本の世界は、読者を本に引き込む世界。紙芝居の世界は、読者の世界に出て行く世界」。大きくなったケーキをみんなで分けてパクパク食べて大団円となるこの名作紙芝居、いつもこの言葉を思い出しながら最後のページを読んでいます。紙芝居舞台から皆さんの世界にウワーッと世界が広がったでしょうか?見ていただいて本当にありがとうございました。

「まぼろし探偵長」のバイクは全開! なぞなぞクイズも楽しいね


 年長さんを対象に場所を変えて、紙芝居を続けて上演。「なぞなぞクイズ」の後は「げたにばける」を読みました。これは愛知県半田市出身の童話作家新美南吉の原作。「ごんぎつね」「てぶくろををかいに」など誰でも知っている有名な作品の他に心にしみる童話をたくさん残しています。特に、「げたにばける」は紙芝居にするとまた一味違った温かさ、楽しさがあふれる作品ですね。
 実は、私は新美南吉の大ファン。はるか昔、長女が小学生の頃に半田市の「新美南吉記念館」を二人で訪問したこともありました。草原の中のキツネのお家のような雰囲気の記念館。本当に楽しかった。その後、今では廃刊となったユニークな地域の新聞、「菊名新聞」の大崎春哉編集長も半田市出身と知って親しくお付き合いいただきました。大崎先生のご縁で半田高校の後輩で落語芸術協会の噺家の三遊亭とん馬師匠とも知遇を得て、仲間の方と「港北ほのぼの寄席」を今日まで続けているのも不思議な出会いです。

やはり最後は、街頭紙芝居「まぼろし探偵長」

 やはり最後は、年長さんに街頭紙芝居を見ていただきました。
“怖かった?”“うるさかった?”“おもしろかった?”と聞きたくなってしまいます。どうしても声が大きくなるのが街頭紙芝居。でも、怖くもなくうるさくもなかったようで、“オモシロカッタ”との声に、なつかし亭は胸をなでおろしました。本当に、良いお客さんでしたよ。皆さんどうもありがとう。

 ケンパ高田保育園の目の前は早淵川の堤防。夏草の茂るはるか上空には夏の白い雲が輝いていました。梅雨が去り夏が本番。暑さに負けずに、また紙芝居でお会いしたいです。肥後園長先生はじめみなさま、どうもありがとうございました。