なつかし亭を見る

南シナ海にほっこり浮かぶ麗しの島。一番大切な隣国、台湾の大感動の紙芝居の旅のご報告です。

 

景勝地に建つ「至善老人安養護中心」は施設・スッタフ、入所者すべてが最高です!


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 陽光うららかな秋の台湾。その北部、台北市郊外の陽明山エリアは高級住宅地・別荘地として知られ、またいで湯と眺望に恵まれた市民の憩いの場所です。その丘陵地の中腹に開設されている「至善老人安養護中心」は日本の、老人保健・特別養護老人施設に高級有料老人マンションが併設されているイメージの複合施設です。施設の運営は、市内で著名な病院を経営する福祉団体で、台湾の老人福祉サービスの最高水準の入所施設です。

 ここ数年のうちに介護保険制度が緒につく予定の台湾では福祉分野の優秀な人材育成と福祉を支える基盤作りを急いでいます。“日本に学ぼう”という熱い思いはすべての若者たちに溢れ、ボランタリーな社会活動に汗を流し、思いやりを形に現わして活動する姿は、私達日本人がすでに忘れていたものを思い出させてくれました。

 鍾美蘭施設長、許貴英護理長そして日本の大学で福祉を学び祖国の高齢者福祉に献身的に従事する羅翠雲護理師。この3人の素晴らしい方々や多くの魅力的なスタッフに囲まれる入所者はみんな楽しそうに紙芝居を見て下さいました。

 1年半前のなつかし亭の紙芝居を覚えていてくれた陳さんはじめ、入所者の皆さん。紙芝居の楽しさと魅力を、言語や文化、歴史の異なる皆さんの笑顔から再発見いたしました。本当にありがとうございました。


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教育紙芝居に続き、街頭紙芝居もエンジン全開で上演!

 紙芝居のオープニングは、参加型紙芝居の名作「ひもかと思ったら」。今回は、セリフを独習した中国語で挑戦しました。「シェンマ?」(これ、何かな?)。見ている人達がひもかと思ったら、そこで「ショア!」(蛇!)。でも、おっと、蛇かと思ったら何と!「コンロン!!」(恐竜)でした。ギャオ~と恐竜の叫び声で会場はビックリ。続いて「シィン」(星)かと思ったら「ユイ」(魚)。「タイヤン」(太陽)かと思ったら「ジャァンユイ」(タコ)、「ジイダン」(卵)かと思ったら「トウジュウ」(豚)。「リーベン ニエンガオ」(日本のお供え餅)かと思ったら「リーベン シャンプウ」(相撲の力士)、「シィグア」(スイカ)と思ったら「バァバ」(お父さん!パパ!)まで登場して大団円。演じ手の私まで楽しくなりました。


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 続いての紙芝居は、おなじみの街頭紙芝居が登場します。「黄金バット(ナゾー編)」、「少年スピード王(第1巻)」ですが、これは通訳を入れることになり休暇を取って案内してくれた台湾の友人、宋述泰先生が北京語、羅翠雲先生が台湾語(現地の言語)で翻訳してくれました。紙芝居の演じ方としては大変に変則的ですが写真の表情のように本当に真剣に見て下さいました。

 特に「少年スピード王」はストーリが単純で、オートバイの効果音が良かったのでしょうか、「続きはいつやるの?」「来年まで待つのか?」との声をいただき、また会場の拍手に励まされて第2巻も上演しました。ありがとうございました。でも、第2巻もオートバイのスピード王をひたむきに目指す三四郎少年の第3巻が気になるエンディングでした。


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昨年3月に続く2度目の台湾紙芝居は胸いっぱいの出会いと感動の旅でした。

 「うまい、うまい」と拍手して下さるお年寄り。日本の植民地としての歴史や太平洋戦争、中国大陸とのたび重なる紛争、日台国交途絶など歴史に翻弄された時代を生き抜いて、今認知症の病を生きる方々。こちらこそ拍手を送り合掌したい思いです。本当にありがとうございました。私自身がいやされた紙芝居の旅でした。みなさん!いつまでも、いつまでもお元気で!またお会いしましょう。


鍾施設長:右から二人目、羅先生:右 小野寺さんのご家族




今回の巡業で一番苦しかったのは、「ひもかと思ったら」の中国語の発音でした。日中辞典の片仮名の発音を繰り返し練習しましたが、現地の方に聞いてもらうと「発音が違うよ」「意味が通じないよ」と厳しい評価。ホテルのフロントの支配人やスタッフ、友人の小野寺さんご家族からホテルで特訓を受けました。でも私の低い言語能力のためNG連続の状態。それでも台湾の皆さんは気持ちを受け止めて下さったようです。「謝謝!謝謝!」「本当にありがとう!!」