平成28年3月30日
梅が香にのっと日の出る山路かな 芭蕉
めまぐるしく季節が変化します。時が流れていきます。”節分”が過ぎて「立春」です。雪国の新潟で生まれ育った妻は、この春の季節にひときわ胸を躍らせた、と言います。そして私の娘の一人は2月4日「立春」に生まれました。夫婦の協働で子育てをして何十回もの”春”を重ねてきました。寂しく、辛いこともあったでしょうが大きな力に支えられ子らも育ち、私達も身過ぎ世過ぎを続けることができました。ありがたい、と感謝をいっぱいに膨らませて私達も、春に立ちます。
はきはきと物言ふ子供春立ちぬ 山田 みづえ
暗中に聴こえし寝息あたたかし 加藤 楸邨
永き日ぞ勤めの母に待てる子に 林 翔
眼つむれば若き我あり春の宵 高浜 虚子
卒業式の春を迎えます。寂しいけれど一人ではない。荒波が来ても大丈夫!越えていきます。
一を知って二を知らぬなり卒業す 高浜 虚子
波ふえて卒業の日の沖みえず 藤田 湘子
綺羅星(きらぼし)の中にわが星春の星 富安 風生