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ああ 六十年紅葉 まだ青すぎる    菊地 京子

幼い頃、渋谷区広尾の下町に住んでいた。港区に隣接し幼稚園から中学一年まで港区に通ったが、遊び場は商店街と裏通りの弁天堂の周辺だった。夕暮れの賑わいの中に、カチ!カチ!カチ!拍子木の音が響き境内で街頭紙芝居が始まった。血湧き、肉躍る冒険活劇。快刀乱麻の時代劇・・。どこにでもある昭和の街角。忘れられない少年の時間がそこにあった。



  
風を あるいてきて 新酒いっぱい        種田 山頭火 


 
夫の嘘 ほどよく許し 新酒つぐ         橋本 京子 


新米の 其(そ)の一粒の 光かな        高浜 虚子 


手みやげの 新米五キログラムなり        大平 洋子 


八海山の 裾野を広げ 豊の秋          皆川 朝子


本日のメニュー 紅葉のレストラン        菊地 共子


時は移り時代は変わる。季節と同様に人の人生にも秋が訪れる。   それぞれにそれぞれ秋の夜長かな【赤澤北江】。

今は、様変わりしたが日比谷線「広尾駅」で下車すると商店街の西側突き当りに祥雲寺の山門、東は広尾橋交差点。左へ麻布・六本木方向の旧・都電通りを歩いて15分、右へ入ると笄(こうがい)小学校。徳川家の甲賀・伊賀(こうがいが)組に由来する旧町名を冠した小学校に6年間通学した。広尾橋交差点を左折せず、そのまま直進すると「有栖川宮恩賜記念公園」の正門と「南部坂」。講談「南部坂雪の別れ」では赤穂浪士47人を率いる大石内蔵助が主君浅野家の下屋敷で正室瑶泉院様に面会。降り積もる雪の中、未明の吉良邸討ち入りを黙して語らず最後の別れを告げるという名場面の舞台。その坂の右側が2年間通園した南部坂幼稚園。帽子、スモックの制服にヒマワリのバッチを付けて雨の日も風の日も、雪の日も・・・。


風呂敷に 落葉包みぬ 母も子も          川端 茅舎 


吾子泣けば 隣りのも泣く 夜半の秋        明野 ム弓         



          
赤とんぼ じっとしたまま 明日どうする      風天(渥美 清)      


肌寒く 母かえらぬ ろ路に立つ          風天
 


   

あなたには 素直になれる 星月夜     柿内 芳子

その南部坂の北東の空に鉄骨が組み上げられ、鉄塔の建設が始まった。それは徐々に伸びあがり、赤と白の帯状の先塔は東京タワーとなった。今から66年前、昭和33年(1958年)の秋、年内に電波塔としての供用開始を目前にその雄姿は天空に屹立してみえた。非力で意気地なしで、根気も能力もない無力な小学生の自分でも、坂の上の遥かな白い雲を望むような胸の高まりを感じた。時は今だ!負けずに一歩を踏み出すぞ。フッーの少年、どこにでもいる少年の当たり前の夢。でもその時はピッカ、ピッカのプラチナゴールドに輝く夢が広がった。そして今、秋の風を感じながら、忘れていた鼓動が確かに聞こえてくる。                                            


わが中に 道ありてゆく 秋の暮れ        野見山 朱鳥


鰯雲 少年独り 球を蹴り            浦  涛聲


湯上りの シャボンの匂ひ 夜の秋         大山 えい子


秋空へ 一直線の 二百段            八十島 祥子


村の子が くれた林檎ひとつ 旅いそぐ      風天


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広尾商店街裏の弁天閣(弁天様):当時は、めんこ、ビー玉、紙芝居など子ども達の社交場



街頭紙芝居”鷲塚コレクション”が「横浜市有形民俗文化財」に指定。時代を越えて大切に継承させていただきます!

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横浜歴史博物館には”横浜最後の街頭紙芝居師”といわれた故・鷲塚隆さんが寄贈された”街頭紙芝居”253巻と”自転車舞台他”の貴重な資料が市民の財産として、保存されています。それらが平成27年11月13日、横浜市有形文化財に指定されました。全国でも数少ない紙芝居遺産の快挙です。加えて、貴重な紙芝居のレプリカを作り市民に公開・上演することで保存している施設はこの横浜以外にないと伺います。関係者の皆様の尽力に心から感謝いいたします。鷲塚さんから「金儲けに使ってはいけないよ」「世のために人のために使って」と電話で、私の紙芝居利用を許諾していただいた時のことは、忘れられません。感謝で、感謝で次代の横浜市民に継承させていただきます。



     


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 紙芝居なつかし亭の世界へご案内


なつかしい時代の風をお届け

 
今から半世紀以上も前”昭和”の時代。お金やモノは豊かではなかったけれど、こころはいつも、あたたかった。そんな時に子ども達の歓声に混じって聞こえてくる拍子木の音。カチ、カチ、カチーン・・。街頭紙芝居のオジサンのあの声、あの紙芝居。さあ、なつかしい紙芝居の世界にご案内します



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    夢は壊れて 夢と知り

 
    愛は破れて 愛と知り

 
    時は流れて 時と知り

 
    友は別れて 友と知り

           阿久 悠



なつかし亭HPが全国の「QHM100選」に登録!! 

 全国のQHMソフトで制作したホームページの中から100本のHPを選定した「QHM100選」に平成23年8月16日に、なつかし亭のHPが登録されました。評価・選定してサイトに掲載し、その後の管理をされているのは「千葉県柏市藤心(ふじこころ)パソコン倶楽部」(http://fujigopc.chu.jp)代表森崎さん。いち早くQHMの操作性と手軽さに注目して全国に普及するため「パソコン倶楽部」のネットワークを組織して、地域はもとより多様な分野でHP制作の支援を行っています。「QHM100選」もそのボランタリーな活動のひとつ。なつかし亭も森崎先生から多くのご指導をいただきました。すでに掲載されている先輩のHPに比較するとスタートしてまだ3カ月の、なつかし亭HPは多くの欠点が目立ちます。森崎代表の励ましと今後の期待を込めての今回の登録と考え、これからもHP作りに精進します。大変ありがとうございました。(平成23年8月24日)


なつかし亭紙芝居巡業日記

平成25年12月15日から「巡業日記ブログ」にアクセスカウンターが付きました。開始から半年後のカウントスタートです!!トップページのアクセス数以外に直接、巡業日記だけを見てくださる方のカウントです。ありがとうございます!