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いつもの席に その人在(おわ)す 冬ぬくし   和久井 雅子

昭和の時代の東京。浅草の通称「六区(ろっく)」の街は劇場や映画館が軒を連ねていました。コント55号の萩本欣一そしてビートたけしが育ち、日本の大衆芸能の”揺りかご”となったその街の新春を華やかに飾った映画看板は「男はつらいよ」シリーズでした。その主役寅次郎、元「浅草フランス座」の芸人渥美清はシリーズ50本という大金字塔と「フーテンの寅」という国民的名声を時代に残しました。一方、その渥美清は「風天(ふうてん)」の俳号を持つ詩人でもありました。俳人仲間の落語界の大看板”入船亭扇橋”や日本の放浪芸研究者でもある”小沢昭一”、ご存じ”永六輔”達の愉快な仲間とひねり出した句は心に沁みる世界です。


ただひとり 風の音聞く 大晦日      風天


行く年 しかたない ねていよう      風天


肌寒く 母かえらぬ ろ路に立つ      風天


遠まわりして 生きてきて 小春かな    永 六輔


おふくろ見にきてる ビリになりたくない 白い靴   風天    


”人を笑わせる”というのはナァ!見た目や、おかしな格好で笑わせるんじゃあネエんだ!”こういう人間が本当にいるかもネ”、”こんな人生を生きてる人、いるかもョ” 。だから客は、笑うんだよ!笑われるんじゃあネェ!笑わせるんだよ!”・・そう弟子のビートたけしに教え込んだのは、浅草芸人の育て親「深見千三郎」です。でも「フーテンの寅」の笑いの魅力も同じです。そして”脳トレ川柳”や”啖呵売の的屋(てきや)”、”街頭紙芝居”の話術やクスグリにも通じるツボがあります。


納豆を 食パンでくう 二DK          風天


立小便 する気も失せる 冬木立         風天


貸しぶとん 運ぶ踊り子 悲しい         風天
 
 

村の子が くれた林檎ひとつ 旅いそぐ      風天

花道に 降る春雨や 音もなく          風天

”風天”の句に人生の寂寥感や達観した世界が溢れるのには理由があります。フランス座で幕間(まくあい)のコントや話芸を磨き大向こうをうならせて、サアこれから!のその時。結核で片肺を切除する大試練に遭遇します。生死の境をさまよい生老病死に向き合う、峻烈な体験が「フーテンの寅」を生み出しました。今日の人生のよどみに流れ込む失敗や挫折。反省や懺悔。でも負けない覇気と情熱。一陽来復の気概‼を込めて、”本当の春”へ踏み出すのは今! そう決意すると何かが音を立てて開いていくのです。


あと一年 元気と決めて 種をまく        白川 靖江(83歳)


人生は 悩み苦しみ ちょっと夢         中谷 政義(90歳)


短命と 思えばいとし 蝉しぐれ         島川 恵美子(82歳)


不自由で 自由でもある 日を送る         鯛竿(88歳)


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街頭紙芝居”鷲塚コレクション”が「横浜市有形民俗文化財」に指定。時代を越えて大切に継承させていただきます!

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横浜歴史博物館には”横浜最後の街頭紙芝居師”といわれた故・鷲塚隆さんが寄贈された”街頭紙芝居”253巻と”自転車舞台他”の貴重な資料が市民の財産として、保存されています。それらが平成27年11月13日、横浜市有形文化財に指定されました。全国でも数少ない紙芝居遺産の快挙です。加えて、貴重な紙芝居のレプリカを作り市民に公開・上演することで保存している施設はこの横浜以外にないと伺います。関係者の皆様の尽力に心から感謝いいたします。鷲塚さんから「金儲けに使ってはいけないよ」「世のために人のために使って」と電話で、私の紙芝居利用を許諾していただいた時のことは、忘れられません。感謝で、感謝で次代の横浜市民に継承させていただきます。



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 紙芝居なつかし亭の世界へご案内


なつかしい時代の風をお届け

 
今から半世紀以上も前”昭和”の時代。お金やモノは豊かではなかったけれど、こころはいつも、あたたかった。そんな時に子ども達の歓声に混じって聞こえてくる拍子木の音。カチ、カチ、カチーン・・。街頭紙芝居のオジサンのあの声、あの紙芝居。さあ、なつかしい紙芝居の世界にご案内します



夕焼け.jpg

    夢は壊れて 夢と知り

 
    愛は破れて 愛と知り

 
    時は流れて 時と知り

 
    友は別れて 友と知り

           阿久 悠



なつかし亭HPが全国の「QHM100選」に登録!! 

 全国のQHMソフトで制作したホームページの中から100本のHPを選定した「QHM100選」に平成23年8月16日に、なつかし亭のHPが登録されました。評価・選定してサイトに掲載し、その後の管理をされているのは「千葉県柏市藤心(ふじこころ)パソコン倶楽部」(http://fujigopc.chu.jp)代表森崎さん。いち早くQHMの操作性と手軽さに注目して全国に普及するため「パソコン倶楽部」のネットワークを組織して、地域はもとより多様な分野でHP制作の支援を行っています。「QHM100選」もそのボランタリーな活動のひとつ。なつかし亭も森崎先生から多くのご指導をいただきました。すでに掲載されている先輩のHPに比較するとスタートしてまだ3カ月の、なつかし亭HPは多くの欠点が目立ちます。森崎代表の励ましと今後の期待を込めての今回の登録と考え、これからもHP作りに精進します。大変ありがとうございました。(平成23年8月24日)


なつかし亭紙芝居巡業日記

平成25年12月15日から「巡業日記ブログ」にアクセスカウンターが付きました。開始から半年後のカウントスタートです!!トップページのアクセス数以外に直接、巡業日記だけを見てくださる方のカウントです。ありがとうございます!