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大根を 鷲づかみにし 五六本(ごろっぽん)  高浜 虚子


大戦中に長野県に疎開した高浜虚子は戦後まもなくこの句を詠みました。大地に根を張り、冬の厳しさに負けず荒廃したどん底から立ち上がる。ほとばしる情熱と決意は復興に向かう当時の日本の姿に重なります。句集が発刊された昭和21年の頃は街頭紙芝居が誕生する時期とも重なります。街角で紙芝居を演じたオッチャン達はその後の高度成長期には産業労働者やサラリーマンとなり、お客さんの子ども達は団塊世代として競争社会を走り抜け今や老境に至ります。しかしあの街頭の”半径3メートルの宇宙”は心の引き出しの奥にしっかりしまわれています。横浜市ではそれを昭和の貴重な有形民俗文化財として指定し、街頭紙芝居を資料として保存・管理するだけにとどまらず今も演じることで次代に継承する、”生態展示”に取り組んでいます。混乱と不安の時代だからこそ、ひるまず、たじろがず、”頑張るぞ!””負けないぞ!”と自分に声をかけ励まし、新しい時代の扉を開きたいと願います。


おでん鍋 まず大根に 箸を差し      山根 繁


人の数だけ 晩年がある 冬の梅      角  光雄


行く年 しかたない ねていよう      渥美 清(風天)
 
 

寒さが厳しくなると思い出す街があります。横浜関内駅前の勤務先から直線で数百メートルの”寿町”は当時、東京・山谷”、”大阪・釜ヶ崎”と並ぶ知られた”ドヤ街”。高度成長期の建設労働者、港湾労働者の住む共同住宅を”ドヤ”と呼ぶ時代でした。冬の年末になると”越冬闘争”として職場には労働者達のデモが押し寄せました。私は感受性の強い青年期。”福祉の原点は貧困問題”と思い、自身には何ができるか?と自問してジャンパーとゴム長姿で寿町に出かけこともあります。時移り、街頭紙芝居を始めた頃、ぜひその街で紙芝居がしたいと考えました。若いころの政治的な動機ではなく、素直に「街頭紙芝居が一番似合う街」だと考えたのです。そして思い切って寿町の「福祉センター保育所」を訪ねました。そこで出会った園長先生は、本当に魅力いっぱいの方でした。その人の名は・・。


大根を さげて富士山 見てゐたり    新田 次郎


ふるさとは 風の中なる 寒椿      入船亭 扇橋


いつもの席に その人在(おわ)す 冬ぬくし  和久井 雅子

保育所園長は村田由男先生。寿の街では超有名人の方でした。住人6500人(男性97%・単身者)の寿自治会長でアルコール依存者支援の会代表、そして福祉活動家。そして寿町周辺の街の生成から膨張へ、吹き出す課題を見つめて改革・改変の先頭で活動している方でした。その園長先生の快諾を得て2年以上紙芝居をさせていただきました。地域の敬老会や夏祭りでの街頭紙芝居には園児64名(その内34名が外国籍・当時)がいつも応援してくれました。オジサン達の路上宴会に、場所を開けてもらった事もありました。紙芝居舞台など搬入の車は、隣接の自立支援施設”はまかぜ”にいた知人に頼んで駐車場を借りました。それから10年。今は寿町の街も変貌し、福祉センター保育所も新築に建て替わったと聞きました。きっとあの時の子ども達も成長したことでしょう。でも私はこの間に、いかほど何ができたのか?と・・。青年のような自問を繰り返します。でも北風の中で臆せずに、一歩踏み出す新春。もうすぐ春です!


切干や いのちの限り 妻の恩     日野 草城


中年の 華やぐごとく 息白し     原   裕


早春の 光きりりと 枝の先      田畑 房子

 

送る人 送られる人 春隣(となり)  石川 麦浪


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街頭紙芝居”鷲塚コレクション”が「横浜市有形民俗文化財」に指定。時代を越えて大切に継承させていただきます!

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横浜歴史博物館には”横浜最後の街頭紙芝居師”といわれた故・鷲塚隆さんが寄贈された”街頭紙芝居”253巻と”自転車舞台他”の貴重な資料が市民の財産として、保存されています。それらが平成27年11月13日、横浜市有形文化財に指定されました。全国でも数少ない紙芝居遺産の快挙です。加えて、貴重な紙芝居のレプリカを作り市民に公開・上演することで保存している施設はこの横浜以外にないと伺います。関係者の皆様の尽力に心から感謝いいたします。鷲塚さんから「金儲けに使ってはいけないよ」「世のために人のために使って」と電話で、私の紙芝居利用を許諾していただいた時のことは、忘れられません。感謝で、感謝で次代の横浜市民に継承させていただきます。



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 紙芝居なつかし亭の世界へご案内


なつかしい時代の風をお届け

 
今から半世紀以上も前”昭和”の時代。お金やモノは豊かではなかったけれど、こころはいつも、あたたかった。そんな時に子ども達の歓声に混じって聞こえてくる拍子木の音。カチ、カチ、カチーン・・。街頭紙芝居のオジサンのあの声、あの紙芝居。さあ、なつかしい紙芝居の世界にご案内します



夕焼け.jpg

    夢は壊れて 夢と知り

 
    愛は破れて 愛と知り

 
    時は流れて 時と知り

 
    友は別れて 友と知り

           阿久 悠



なつかし亭HPが全国の「QHM100選」に登録!! 

 全国のQHMソフトで制作したホームページの中から100本のHPを選定した「QHM100選」に平成23年8月16日に、なつかし亭のHPが登録されました。評価・選定してサイトに掲載し、その後の管理をされているのは「千葉県柏市藤心(ふじこころ)パソコン倶楽部」(http://fujigopc.chu.jp)代表森崎さん。いち早くQHMの操作性と手軽さに注目して全国に普及するため「パソコン倶楽部」のネットワークを組織して、地域はもとより多様な分野でHP制作の支援を行っています。「QHM100選」もそのボランタリーな活動のひとつ。なつかし亭も森崎先生から多くのご指導をいただきました。すでに掲載されている先輩のHPに比較するとスタートしてまだ3カ月の、なつかし亭HPは多くの欠点が目立ちます。森崎代表の励ましと今後の期待を込めての今回の登録と考え、これからもHP作りに精進します。大変ありがとうございました。(平成23年8月24日)


なつかし亭紙芝居巡業日記

平成25年12月15日から「巡業日記ブログ」にアクセスカウンターが付きました。開始から半年後のカウントスタートです!!トップページのアクセス数以外に直接、巡業日記だけを見てくださる方のカウントです。ありがとうございます!